39.久方の天ゆく月を・・・
久方の
天(あま)ゆく月を
網にさし
わが大君は
きぬがさにせり
万葉集巻3-240 柿本人麻呂
歌の意味
大空をわたる月を、鳥でも刺すように網でからめとり、大君はその月を蓋になさっている。
☆大君(長皇子)の猟路の小野の夕狩りの雄姿をほめたたえた歌である。
柿本人麻呂
飛鳥時代の代表的な歌人。後世、山部赤人とともに歌聖と呼ばれる。人麻呂は巻向山麓の里に愛する妻が住んでいたために、この付近の自然を歌った作品が多い。
揮毫 山岡 荘八
大正・昭和期の小説家。戦前「大衆倶楽部」を創刊し編集長に戦後十七年の歳月を費やした「徳川家康」を発表。以来、歴史小説を中心に活躍した。
歌碑の場所 39番
談山神社参道の古い山門に向かって右手の杉の木の下に建つ。