53.やまとは国のまほろば・・・
やまとは くにのまほろば
たたなづく 青がき
山ごもれる
大和し うるわし
古事記・中巻
倭建命(やまとたけるのみこと)
歌の意味
やまとは国の中でいちばん良いところである。幾重にもかさなりあった青い垣根のような山やまにかこまれた大和はほんとうにうるわしいところであります。
倭建命
日本武尊・小碓命(おうすのみこと)父は景行天皇毋は播磨稲日太郎姫(はりまいなびおおいらつめ)とされ古代伝説の英雄。小碓命は景行天皇の皇子の中でも最も武勇に優れ人望も厚かったので次の大王と目されていたが、その声望を妬む父に疎まれたといわれる。大和朝廷が三輪の地にあった四・五世紀頃は、日本列島の各地には朝廷の権力に服さない豪族が盤踞(ぱんきよ)していた。特に強大だったのが東国の蝦夷(えみし)・九州の熊襲(くまそ)だった。景行天皇は、小碓命を蝦夷征伐・熊襲征伐に向かわせることによって、王権から遠ざけたといわれる。
小碓命に誅伐(ちゅうばつ)された熊襲の川上梟師(かわかみたける)は死に臨みその武勇を嘆賞しヤマトタケルの号を献じたとされている。