御厨子観音(橿原市)

 

 御厨子観音(みずしかんのん)は、真言宗高野山派のお寺で奈良時代の賢人、吉備真備(きびのまきび)が阿部仲麻呂等と共に717年に遣唐使として派遣され、18年後に帰国。無事唐から帰国できたことを喜んで創建させたという伝承があります。本尊は十一面観世音菩薩で

吉備真備が中国で窮地に立たされた時、蜘蛛に助けられたことから、クモ観音とも呼ばれています。

 また寺の東側に、万葉学者、犬養孝揮毫の大津皇子の辞世の歌といわれる「百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を 今日のみ見てや 雲隠りなむ」の歌碑があります。歌碑の背後には磐余(いわれ)の池があったと言われています。