桜井市巻野内(まきのうち)にある古墳です。従来、纒向遺跡東端のホケノ山古墳周辺の小古墳の多くは6世紀の円墳と見られていましたが測量調査や研究成果で纒向型の前方後円墳の可能性が高い事が判明しています。この古墳の他にも周辺の6基(南飛塚古墳、ツゾロ塚古墳、堂ノ後古墳、北口塚古墳、平塚古墳、小川塚東古墳)が前方後円墳の可能性があります。(堂ノ後古墳は近年に前方後円墳と確認されました。)
この巻野内石塚古墳の場合も現状は径40mの円墳状になっていますが全長60m、後円部径40m、前方部長20mの前方部を北東に向ける纒向型の前方後円墳に復元できる可能性があり北東部を注意深く見るとあぜ道にその痕跡らしきものを今も見ることが出来ます。
未調査ですが道路沿いの後円部の位置に相当する場所にある石垣は、この古墳の葺石が転用された可能性があります。近くのホケノ山古墳も葺石を持つ数少ない纒向型の前方後円墳であり大きさも2/3などの類似性もあり、ホケノ山古墳を盟主とする3世紀代の築造の可能性も考えられます。