桜井市茅原の南端に鎮座する富士社・厳島神社の社殿の背後の老大樹の下に残る古墳です。石室を覆う封土は既に失われ石材が露出しています。石室は両袖式横穴式(全長不明)で羨道部は開口しておらず玄室内へは崩れかけた奥壁と天井石のわずかな隙間から入ることが出来ます。
玄室部の石棺は破壊され一部の石材が残っているのみですが羨道部に追葬用と思われる石棺がが残っています。上部まで土砂で埋もれ石棺の全体の形状は不明ですが刳抜式の家型石棺で三輪山麓において横穴式石室と石棺が残る数少ない古墳です。未調査で築造年代は不明ですが石室や石室の様子から古墳時代後期と思われます。
この古墳の周辺には国史跡で盾持ち人埴輪の出土で知られる茅原大墓古墳や桜井市でも有数の巨大石室を持つ茅原狐塚古墳があり併せての見学がおすすめです。