曹洞宗のお寺で山号は三輪山。卑弥呼の墓ではないかといわれる「箸墓古墳」からほど近い場所に位置します。正門は芝の織田藩一万石の惣門で明治4年(1871年)廃藩置県で当寺に移築されたものです。
寺の創建は文明2年(1470年)といわれ織田信長の末弟・織田源五郎長益(有楽斎)ゆかりのお寺で、境内には戒重藩(後に芝村藩)織田家の歴代藩主の墓が有る菩提寺としても知られています。
本堂の裏手に続く納骨堂には阿弥陀如来、十一面観音像が安置されています。いずれも近隣にあった融通念仏宗の寺院・広読寺に祀られていた仏さまで、廃寺に伴い慶田寺へ移されたものです。
十一面観音菩薩立像(10世紀。左の写真)は像高、約2m、仏面から足底まで、本来は両腕までも共木でつくられ、内ぐりもないケヤキの一木造です。元はこの像自体を木心とし、上に麻と漆を重ねた乾漆像だったようです。穏やかで涼しげな表情がとても印象的なすばらしい仏さまです。
(慶田寺は山の辺の道沿いではありませんが纒向遺跡や箸墓古墳を見学の際に是非どうぞ!)