箸墓古墳の西南約200mにある古墳で墳頂に天光豊慶大神(明治二六年正月一日建立)と刻まれた稲荷社が祀られています。これまで発掘調査されたことがなく径約10m高さ約3mの不整形な円墳とされてきました。
2019年1月~3月に初めて桜井市教育委員会で古墳の北側と東側の6か所、計約170㎡が調査され4か所で墳丘裾と周濠が確認されました。墳丘裾をつないで復元すると、古墳北辺は方形であること、大きさは東西約25m、南北29m以上の南北に長い墳形を持つことがわかりました。明治時代に描かれた絵図にも墳丘の南側に細長い高まりがある事から南側に前方部を持つ前方後方墳の可能性が考えられます。但し今回の調査範囲で前方部の存在が確認されたわけではなく今後の調査が待たれます。
築造時期は須恵器など新しい時期の遺物が少ない事や埴輪、葺石が無い、周濠の幅が狭いなどから3世紀代までさかのぼる可能性がありますが今回の出土品で時代を限定できるものが少なく断定はできていません。埋葬施設は未調査のため不明。箸墓古墳の見学時に合わせて見られるといいでしょう。