平安時代に登美山(とみやま)鎮座宗像神社が創始されたおり、地域鎮護の為に建立された大寺院の塔頭伽藍の一部と考えられています。藤原一門が一族の祖である藤原鎌足を祀る妙楽寺(現談山神社)に参詣する際に無動堂(現不動院)で御清めの護摩を焚いたと言われ、扁額には「無動堂 藤原山主慈円書」の字が残されている事から開山は愚管抄や弘法大師御詠歌第一で有名な藤原氏で天台座主の慈円(諡
慈鎮)であったと考えられます。
無住の期間が長く荒廃が進んでおりましたが、先代慈啓和上はじめ檀信徒の方々の尽力で見事復興し、現在は真言宗の寺院として「とびのお不動さん」の愛称で親しまれております。毎月28日の午後2時からは月例縁日護摩法要を厳修しており、地元をはじめ遠方からの信者さんも熱心に参拝されています。
昭和63年に国の重要文化財として指定されました本尊の不動明王座像は平安時代後期の優美な造形を持つ仏像で良好な状態を保ち、過去には四代将軍家綱の御上覧に供し、国立博物館の明王展にも出展されました。境内には藤原時代の十三重石塔が残り、近くには龍神舎跡や経蔵の地名が残るなど、当時の伽藍の優雅な風を現代に伝えます。
ありがたや 高野の山の岩かげに 大師はいまだ おわしますなる
弘法大師御詠歌第一 詠人 慈円
外山不動院公式Facebook
外山(とび)不動院さんへお邪魔してきました
炎の燃え上がる迫力と行者様の熱い思いが伝わってくる護摩法要でした。
撮影2021年1月28日